1973年生まれ。愛媛大学理学部物理学科卒。
小学校時代は吹奏楽部に入り、トロンボーンを担当。音楽の授業で配布された副読本「うたの本」が好きで、童謡のメロディの素晴らしさに魅了される。川の土手をリコーダーを吹きながら下校したのは、いい思い出だ。中学時代も吹奏楽部でトロンボーンを吹く。なぜか成績は優秀で、中学1年の全学期でオール5を取るも、その後は下降の一途をたどる。また友人とバンドを始め、キーボードを担当。友人の家が材木屋を営んでおり、倉庫の奥にある小さな部屋で練習に明け暮れた。
大学受験のための高校進学にまったく意味を見出せず、5年で卒業して社会に出られる高専を希望するも、親に却下される。県下2番手の進学校に入学。そこで何を血迷ったか、サッカー部に入部する。それまで文化部だったこともあり、ずっと補欠の補欠というポジションだったが、3年間やり通す。
高校では物理の先生が面白く、その世界に目覚める。簡単な式で、神様が決めた世界の動きが表せることに大きな衝撃を覚えた。有名なアインシュタインのE=mc²も、前提をたどっていけば意外なほどシンプルな式から導かれることを知る。
小学校時代から多くの本を読んでいたが、高校時代も読書は好きだった。遠藤周作、宮本輝などが好きな作家だった。大人になってからは村上春樹にどハマりする。シンプルな文体でありながらテーマは深いというスタイルに感銘を受けるも、真似できるものではないと現実を知る。
高校受験同様、大学受験にもあまり意味を見出せず、センター試験で失敗。東京に出たくて東京の大学を受けるも、問題が何を言っているのか分からない。絶対に浪人したくなかったので、自分のレベルなら間違いなく合格できるであろう愛媛大学を選択。無事合格する。
大学時代は、バンド活動に明け暮れる。ある日、先輩から歌詞を渡され、曲を作ってほしいと言われる。曲作りで悩んでいたある夜、夢の中でメロディが浮かんだ。起きてすぐに曲の形にしたことを、今でもよく覚えている。その後もメロディが降りてくる体験があり、多くのオリジナル曲を作った。それらのメロディは、今でも夜な夜な自室で歌っている。
就職活動は、ちょうど就職氷河期に入り始めた頃で、なかなか決まらなかった。音楽で生きていく勇気もなく、とりあえず東京に出ようと考える。新卒で入社したのは、渋谷にある小さなシステム開発会社。そこでホテル管理システムの開発に従事する。しかし、どうにも肌に合わない。
転職情報誌「DODA(デューダ)」を見ていたところ、某著名作曲家の付き人募集の記事を発見。そのマネージメントオフィスに入社する。1年の付き人を経てマニピュレーターを務めるも、才能がなく、ほどなく退社。
退社後、同作曲家からウェブサイト制作の依頼を受けたことをきっかけに、2001年よりウェブデザイナー・エンジニアとしてフリーランスで活動を開始。2003年、法人クライアントの増加にともない有限会社シンクイットを設立。2006年、株式会社ゼロワンディグリーへ商号変更。以後、コーポレートサイトを中心に多くのウェブ開発を手がける。
2015年、ウェブサイト制作にコンテンツ制作を加えようと、宣伝会議「編集・ライター養成講座」を受講。授業内で提出した課題が、クラスで一番良かったと評価される。講師には「あなたはたくさん本を読んできましたね」と褒められた。まさかこんなところで私の多読が生きるとは。
これが、人生で初めて文章を褒められた瞬間である。そこで気をよくし、文章を書くことに熱中する。言葉にすることで、自分が何を考えているのかを深く理解できる。それは、ひいては自分自身を知ることにもつながるのだという体験を得た。
2016年、日経BP「日経ビッグデータ」で執筆を開始し、AI・ビジネス分野の取材を重ねる。自分の名前で記事が出るという驚きと、プロ中のプロから専門的な話を聞けるという面白さに、ライター業は天職なのではないかと感じるほどになる。
2018年に日経クロストレンドが創刊されてからは、同誌を中心に取材を続ける。日経ビジネス、日経エンタテインメント!などにも執筆。企業の経営者から技術者、マーケターまで、気がつけばずいぶん多くの人の話を聞いてきた。
2023年、日経クロストレンド初代編集長・吾妻拓氏との共著『いまNFTでできること──Web3ビジネスを成功に導く30の事例』を出版。ほかにブックライターとして書籍3冊、ライター協力として書籍・ムック4冊に参加。
Web3の取材をきっかけに、法定通貨についての知識を深める。もし法定通貨がダメになったとき、最後に残るのは食べ物ではないかと思い、畑で野菜作りを始める。
驚いたのは、食べきれないほどの野菜が採れるということ。きゅうりやナス、トマトを知人に配ってみると、それが思いのほか気持ちのいい体験なのだと知る。お金を介さず、育てたものを人に分ける。そんな体験をしながら、次の時代の資本主義とは何かを、うっすらと考えている。
長年、ウェブ制作とライターという二つの仕事を別々に行ってきた。しかし近年になって、それらは実は同じ仕事だったのではないかと思い始める。
会社を取材し、それを言葉にし、人に伝わる形にする。2026年、ゼロワンディグリーの事業を改めてその方向へ舵を切った。